■1.一般社団法人制度創設の概要
社団とは、一定も目的を持った人の集まりのことです。社団に法人格(=契約したり、銀行口座を持ったりすることのできる法律上の資格)を与えたものが社団法人です。
従来、社団法人は、特定のメンバーの利益を追求するような内容のものは認められず、公益性(=不特定多数の利益を追求する性質)を有することが、設立の要件(=条件)とされていました。そして、設立に当たっては、登記の前に、行政官庁の許認可を受けなければなりませんでした。
以上のような旧社団法人制度を抜本的に改革する法律(=一般社団法人及び一般財団法人に関する法律)が平成20年12月1日に施行され、公益性を有しない社団法人(=一般社団法人)も認められるようになり、設立前の行政官庁の許認可も不要となりました。
■2.一般社団法人の特徴
一般社団法人には次のような特徴があります。
①法人の目的に公益性不要。
②登記だけで設立可能
③利益配分をしないことが必要。すなわち、株式会社と異なり、法人の構成メンバー(=社員)に利益(=剰余金)を分配してはいけません。役員報酬や従業員給与の支払いはOK。
④設立後一定の要件を満たせば公益社団法人への移行も可能。
⑤設立に際して設立者が拠出をする財産合計は0円でもOK。なお、活動の原資となる資金を調達するために基金制度の採用が可能であり、この制度を活用して設立時に資金を拠出することも可。
※基金制度とは?
基金とは、一般社団法人に拠出された金銭等の財産であって、当該法人が、拠出者に対して返還義務を負うものです。利益分配をしないという一般社団法人の基本的性格を維持しつつ、一般社団法人がその運営に必要な資金を獲得することができるようにするという趣旨で認められました。基金制度の採否は任意です。採用する場合には、その旨を定款で定める必要があります。
⑥構成メンバーとして最低でも2人以上の社員,1人以上の理事が必要。なお、理事会を設置する場合は、3人以上の理事が必要。また、下の非営利型一般社団法人にする場合も3人以上の理事が必要。
⑦定款認証必要
⑧登記の際の登録免許税(=収入印紙代)は6万円。
■3.非営利型一般社団法人とは
一般社団法人のうち、法人税法施行令3条に規定する要件を満たす一般社団法人は、「非営利型一般社団法人」とされ、収益事業のみ課税され、非営利事業については非課税となります。
非営利型一般社団法人には、次の2種類があります。
A. 非営利性が徹底された法人
B. 共益的活動を目的とする法人
上記2種類の法人のいずれかにする場合、定款には、それぞれ次の条項を置く必要があります。
A. 非営利性が徹底された法人
①剰余金の分配を行わない旨の定め。
②解散したときの残余財産を国・地方公共団体・公益社団法人等に帰属させる旨の定め。
③理事に、三親等以内の親族が3分の1を超えて含まれてはいけないという旨の定め(この場合、理事は3名以上必要ということになります)。
B. 共益的活動を目的とする法人
①会員に共通する利益を図る活動を行うことを主たる目的とする旨の定め。
②主たる事業として収益事業を行わない 旨の定め。
③会員が負担すべき会費の定め。
④解散したときの残余財産を国・地方公共団体・公益社団法人等に帰属させる旨の定め。
⑤理事に、三親等以内の親族が3分の1を超えて含まれてはいけないという旨の定め(この場合、理事は3名以上必要ということになります)。
|
|
|